今回は、光浦靖子さんのオススメタイトルを5つご紹介していきたいと思います!次の本をどれにするか悩まれている方や、読書にチャレンジしたいけど何を読んでいいかわからない方は、一つの道しるべとなるのではないでしょうか。
突然ですが、メガネが似合う女性ランキングで総合2位を連続での獲得やメガネベストドレッサー賞にも需要している光浦靖子さんは皆さんもご存じですよね。
そんな光浦靖子さんですが、ドラマや映画にも出演されていたり、趣味がプロレスや手芸と幅広いジャンルで多趣味に活動されおり、また、読書家としても有名なのは周知の事実かと思います。雰囲気も読書大好き感が出ている気がします。
目次
多趣味な読書家・光浦靖子さんのオススメ本を5つご紹介します!
今回はそんな多趣味かつ読書家な光浦靖子さんのオススメする愛読書を5タイトルご紹介していきます。今までにない着眼点のタイトルもありますので、きっと楽しんでもらえると思います!
今回ご紹介するタイトルは以下の通りです。
- グローバライズ/木下 古栗
- ねこのおうち/柳 美里
- 挫折を経て、猫は丸くなった。書き出し小説名作集/天久 聖一
- 犬身(上下巻)/松浦 理英子
- 小銭をかぞえる/西村 賢太
今回も実際に私も読んでみたので、私の感想も交えながらご紹介していきます。とても魅力的なタイトルが多数あり、本の題名からは想像もつかないような内容もありととても楽しく記事を書くことが出来ました。
きっと皆様にも一緒に楽しんで読み進めていただけますし、読み終えたころには実際にご紹介したタイトルを手に取ってみたくなっていると思います!
それでは早速ご紹介していきましょうか、どうぞごゆるりとお楽しみください!
グローバライズ 著:木下 古栗
最初の一冊はこちら、「グローバライズ」。最初からぶちかましてしまいますので、心臓の弱い方はお気をつけてください!
この作品は、木下古栗さんの珠玉の短編集なのですが、世界観が本当に謎です。著者の禁欲性などが読み取れることができますが、まず読み切ることが出来るか心配になるほどの謎、謎、謎!なんの脈絡もなしに、唐突に、豹変的に展開するそれぞれのストーリーは、読者の心の中に何とも言えない感情を植え付けることでしょう。
光浦靖子さんも、「最後の1,2行でどひゃーっとひっくり返された」とおっしゃられているのですが、本当にひっくり返ること間違いなしです!もはやひっくり返りすぎてどっちが表かもわからなくなるかもですね!
正直なところ、本作品は本当に読者を選ぶ作品になっていると思います。実際に読んでみた私も、頭の中にはてなマークで埋め尽くされてしまいました!そんな私が感じたことかつ、これから読もうと思った方にアドバイスです、本作品は某有名なセリフのようですが、「考えるな、感じろ!」です。この意味は読んでみていただければよく分かると思います。
確実に記憶に残る作品ではあるので、独特な世界観や奇特な内容に触れてみたい方にはとてもオススメできる作品となります。まあ、読書し始めの方にはあまりオススメできない内容かもしれません、だってこの作品は本と読んでもいいのかわからない程の衝撃を体験させてくれるんですから。。。
ねこのおうち 著:柳 美里
さて、一作目からかなり激しめのタイトルをご紹介していきましたが、続いての作品はこちら、「ねこのおうち」。ご安心ください、究極の謎といっても過言ではない一冊目とは何もかもが違い、とても考えさせられるような作品となっています。
本作品は、生まれてすぐに公園に捨てられたニーコ、そしてその公園でおばあさんに拾われて過ごす幸せな日々、そんな幸せな日々もおばあさんの死で唐突にお別れすることになります。また公園生活に戻ったニーコと、そこで産まれた六匹の子ねこたち。その子ねこたちを拾ってくれた各家庭の様子を通して、人間社会および人の問題や命の尊さを教えてくれる物語が、4つの中短編に分けられて綴られています。
昨今、猫ブームが世の中で流行りだして久しくありませんが、その猫ブームの陰にある捨て猫問題など、色々と社会問題がありますよね。皆様の周りでも、よく意識してみるとそんな話があるかもしれないレベルでとても身近な問題です。そんな問題についても本作品を通して、命の大切さや人の身勝手さ、そして人とねこがつなぐ愛の物語には改めて考えさせられるものがあります。
私も本作品を読んでいて、とても胸が苦しくなる場面とともに、心が温かくなるシーンも多数出てきており、少し泣けたのを覚えています。3年前くらいに初めて本作品を読んだのですが、また改めて読もうかなと感じています。
光浦靖子さんも、「思い出したらすぐ泣けちゃう」と涙をぬぐっていましたね。そんな、はかなくも心温まる作品なので、特に猫好きな方にはピッタリなタイトルなのではないでしょうか。
挫折を経て、猫は丸くなった。 著:天久 聖一
つづいてご紹介するタイトルはこちら、「挫折を経て、猫は丸くなった。」です。こちらもすこし特殊な作品ではないかと思います。というのも、本作品はストーリーのある小説や自伝ではなく、より読者の想像力が求められるような作品であるからです。といっても、想像する先に正解はなく、その想像すること自体を楽しむような内容に仕上がっています。
それでは、本作品の内容ですが、それは416本からなる異なる作品の冒頭部分のみが書き記されています。「ヒーローたちの利害は複雑に絡み合っていた」や「担任に好かれている吉田とただの吉田がいた」など、これからどんな展開が待っているのか、ワクワクしながら各作品の展開を想像できそうですよね。物語調の読書に少し疲れた時などに休憩としても気軽に読めるような内容となります。
私も読破しているわけではないですが、自己啓発本や小難しい内容の作品を読んだあとなど、体力を使う内容の作品を読み終えたあとにはよくこの作品を読んでいます。私としては、一気に読み進めるのではなく、少しずつ少しずつ、本当に休憩として読んでいますが、とても気になる作品があり、その作品を購入してみたりなど、新たな出会いにもつながるので、かなり好きな作品ですね。
どの作品にも言えることですが、冒頭を読むときってかなりワクワクしませんか?私はこれからのことを考えながら、どんな世界が広がっているのだろうと思いをはせるタイプなので、かなり私にあっているのかなと個人的には思っています。読み始めのワクワク感や、読書に疲れた方、はたまた次の作品を探している方にもかなりオススメ出来るので、是非手に取っていただきたいですね。
犬身(上下巻) 著:松浦 理英子
つづいての作品は、「犬身」です。上下巻ある作品となり、2007年には「読売文学賞」を受賞しています。著者である松浦理英子さんは、「犬好きの人はなぜ犬を愛するのか。犬はなぜ人を慕うのか。言葉も交わせないのに、そこには確実な愛情関係がある。性的欲求とは別の、愛情と、皮膚感覚の官能的な喜びを描けるのではないかと考えました」とおっしゃられてもいました。この作品は、なんと7年も費やされて完成しており、松浦理英子の珠玉のタイトルとなっているのではないでしょうか。
本作品のあらすじですが、主人公の「八束房恵」は犬を愛するあまり犬になりたいと常々感じていました。そんな八束房恵は体は人間、魂は犬の「種同一性障害」であると考えています。そして、ある我が家の犬が怪我するなら、他人が怪我をしたらいいといったちょっと行きすぎた思想を持つ陶芸家「玉石梓」に強い共感を感じます。次第に玉石梓の家に犬として飼われたいと思いだした八束房恵は、バーのママかつ自称魂コレクターの「朱尾献」と契約を結び、犬に変身し、待望の玉石梓と暮らし始めるのでした。
もうあらすじからしてもとても特異な着眼点ですよね。前半は犬としての気持ちよさや気持ち悪さが克明に綴られており、犬って普段こんな視点で暮らしているのかなと感じることが出来ます。自身が実際に犬となり、憧れの人に飼ってもらうなんて発想がかなり面白いので、とてもスムーズに読み進めることができました。松浦理英子さんならではのセクシュアリティ満載の内容になっているので、とても独特な考え方に触れることが出来るのではないでしょうか。
私が読んだ感想としても、思いもよらない視点からの物語かつ、独特な考え方に終始魅了されっぱなしでしたね。独特な内容であるにも関わらず続きが気になる文体でもありすぐに読破することができたのも印象的でした。また、小学生時分に犬を飼っていたこともあり、過去とリンクさせながら読めたのも、引き込まれた大きな要因だったのかなと思います。
光浦靖子さんも、「犬の目ってこうやって人を見ているの?って思うぐらい引き込まれる。1つの恋愛のかたちでもあり賛否両論、 一風変わったおもしろい小説 」とおっしゃっているほどなので、特に犬好きな方や独特な考え方に触れたい方には必見なタイトルなのではないでしょうか。
小銭をかぞえる 著:西村 賢太
最後にご紹介するタイトルはこちら、「小銭をかぞえる」です。本作品は、「焼却炉行き赤ん坊」「小銭をかぞえる」2部構成になっており、著者である西村賢太さん自身が主人公で物語が進んでいきます。西村賢太さん自身の感情がかなり上乗せされている作品で、非常に著者思考が強めな作品に出来上がっているのではないでしょうか。
「焼却炉行き赤ん坊」のあらすじとしては、もてない「私(主人公)」がやっとみつけた相思相愛な女性とともに同棲していくが、女性がぬいぐるみに心酔し、次第に主人公に不愉快な気持ちが芽生え始めます。そんな主人公と女性との口論や暴力へと発展していく同棲生活で、最終的には女性が大事にしていたぬいぐるみを引き裂くという無惨な展開が待っています。
「小銭をかぞえる」のあらすじとしては、自費出版をするために金策に苦労している「私」が、彼女の父親や旧友にお金の無心にはしるが相手にしてもらえず、苦悩に苦悩を重ねる状態となり、それが次第に主人公の様々な暴力性を発症させていくような作品となっております。
甘い展開が待っているのかと思いきや金策に苦労したり、著者である主人公の残虐かつ暴虐的な面が出てきたりと次第に緊張感をはらんだ生活になっていきます。お金をめぐる友情関係や女性とのかけあいなど、人間味がかなり出ている本作品は、誠実な人間ではない様子がありありと綴られており、事実としてではなく、あくまで小説として読み進めることが出来る方でないと、気分を害することになるかもしれません。
ただ、人間としての感情がとても表現されており、そんな人間の一面を知ることが出来る作品ですので、とても興味深いものであることは間違いないですね。先にも述べましたが、あくまで小説として内容を楽しめる心にゆとりのある方や、線引きが出来る方であればとても楽しめる内容ではありますが、この作品を事実としてとらえてしまう方には少々過激な内容なのかもしれません。
光浦靖子さんも、「これがフィクションであるとは、私は信じている。それで面白かった」とおっしゃられているとおり、自身の読書に対する思いや考え方を今一度見つめなおせる機会になるので、本作品を手に取る前にある程度の覚悟は必要なのではないでしょうか。読書とはあくまで人生を豊かにし、楽しむためのものであると思いますしね。
最後に
さて、今回は光浦靖子さんがオススメするタイトルを5つご紹介しましたが、如何でしたでしょうか。少々過激な内容を含む作品をご紹介しているため、合わないと思う方もいらっしゃるかもしれません。私からお伝えできるのは、あくまで書籍として楽しめる心持ちであれば、様々な内容の作品がとても魅力的に感じるということです。
これから読書を始めようかと思っている方には、光浦靖子さんによる読書初心者さん向けのアドバイスをお伝えします。内容は、「文字大きめ漢字少なめ」「内容を表す表紙を見てフィーリングに合いそうな本を選ぶべし」とのことでした。是非この機会を通して、読書生活を充実させ、いいスパイスになったと思うよな記事であればうれしい限りです。